関係性時代の決算書。お客さまとの関係性を表すのは負債!?

2015.06.11

キャプチャボクが作成する決算書だって関係性を表現している!?

6月1日に発売になった『商業界』7月号。
もう読んでいただいたでしょうか。
藤村正宏先生が表紙のビジネス雑誌です。

エクスマの大特集でした。

モノではなく体験を売るマーケティング手法。
幸せをつくり、結果利益を生む
つながりのマーケティング。

各業界で大活躍している仲間に交って
ボクも2ページほど掲載していただきました。
ありがとうございます。

ビジネスの本質をつかむ
10の視点が紹介されています。

・ モノを売るな!体験を売れ!
・ ニーズを聞くな
・ 差別化するな、独自化せよ
・ お客さまは神様ではない
・ オジカルシンキングするから成功しない
・ 顧客満足を向上させてもリピーターは増えない
・ ビジネスは戦いではない戦略思考を捨てよう
・ 迷ったらどちらが楽しいかで選ぼう
・ 関係性が重要
・ 幸せをつくり出し、結果利益を得よ

特に大切なキーワードは関係性です。

今はコモディティー化が進んだ時代。

誰から買うのか
どっちから買うのか。
迷ったら関係性の深い方から買います。

知り合いから買う方が安心です。
昔は友達とは商売しなくてもいい時代でしたが
今では知り合いとしか取引しないぐらい。

詳しくは『商業界』を読んでくださいね。

では税理士として
関係性とはどう折り合いがつくのでしょうか。

マーケティング用語の関係性を
会計的に表現するってこと。
会計的にも関係性は大切な視点だと思う。

今まではいかに売るかでした。

これからはいかに繋がるか。
その結果利益を生むプロセスが大切です。

だから関係性が大切。
実は関係性には2つあります。

1.モノを提供してお金をいただく ⇒ 「しがらみ」

2.情報を提供して共感してもらう ⇒ 「つながり」

エクスマの提唱する関係性はもちろん2番!

そのあたりを会計的に
表現するのは負債(の部)です。

特に「借入金」と「前受金」に注目です。

「借入金」は銀行から会社への応援。
「前受金」はお客さまから会社への期待。

さらに負債の下に表示される
資本の部にある「資本金」は親からの無償の愛です。

このあたりが
利益を生むまでのプロセスに当たります。

大切なことなのでもう一度言いますね。

ココではまだ利益は出ていません。
利益を生む前のつながりを表現しています。

「売掛金」や「受取手形」じゃないんです。
それは売ったあとに増えるものだから。
つながりがあるかどうかは判断できません。

他人資本とも呼ばれる負債が
どうしてつながりを表現しているのでしょうか。
疑問かもしれませんね。

とくに「前受金」の計上こそが関係性のポイント。

この勘定科目は
会社がモノやサービスの提供前に
お客さまがお金を払ってくれた金額のこと。

これってスゴイことです。

まだ何も提供していないうちにお金がもらえるってこと。
関係性が築いていなければありえない。
金額の大小ではなく時間の問題なんです。

従来からこうした関係性で
成り立っていた業界がありました。

・ 前払家賃を払う習慣のある賃貸業
・ 前売りチケットが発売されるライブや演劇
・ 販売台数が限定されている車の購入

などなど。

他にもよく似たサービスがあります。

百貨店のお中元、
航空券や宿泊予約も前払いだったりしますが
事前予約するとその分安くなるのは
ちょっと意味あいが違います。

違いはお客さまのことを
ファンと呼ぶほどに関係性ができていること。

モノやサービスの提供前から
ファンはワクワクしています。
その後も余韻に浸っています。

だから、先に払うんです。

モノやサービスを提供前に
受け取ったお金は「前受金」となります。
決算書の記載は負債です。

モノやサービスの提供後に「売上」に振替わります。

だからとても健全。

たんにモノを提供してお金を受け取るだけでは
「売上」が計上されるだけ。

それでは売れなくなった時に
売れ残ったモノに注目するばかり。

関係性がなければ売れない時代なんです。
そのプロセスを会計にも反映される方がいい。

利益ばかり見ないで
負債の計上に注目しましょう~~

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

山本会計事務所
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