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年収350万円で働いても豊かにならない幕末の経済。西郷どん。

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江戸時代と現代では経済の概念が違う(画像は公式サイトから)

 

大河ドラマ『西郷どん』
第5話では御前相撲のシーンが描かれていました。

御前というのはお殿さまの前でという意味。
武士といっても下級武士では
お殿さまに顔を合わすことができません。

会う機会がないのではなく、
会うことができない・・・そういう時代でした。
身分制度はとにかく厳格。

ところがこの日ばかりは違っていたんです。
日ごろは顔すら見ることのできないお殿さまに会えるんです。

そりゃ張り切るわけです。
お殿さまを投げ飛ばした吉之助。
今週はどうなるんでしょうか~

その前に第3話に戻って
当時の暮らしぶりについて考えてみましょう。

吉之助のお父さん西郷家の家禄は47石。
石高はお米の量です。当時はお米が収入の単位。
同時にそれぞれの家の年収なんです。

1石=150キロ
(現在10キロ≒5,000円とすると)
1石=75,000円に相当します。

47石では3,525,000円。

西郷家の年収は3,525,000円となります。
別途、吉之助が俸禄が4石(300,000円)あったので
西郷家の合計年収は3,825,000円となります。

高給取りとは言いませんが
特別、貧しいとも思わない金額。

そこそこの暮らしはできそうはほど
・・・にもかかわらず西郷家は貧乏に描かれているんです!?

どうしてでしょうか。
不思議に思いませんか。
どうにも理解できません。

そう思ういませんか。

お父さん・吉兵衛さんも働き者で
お母さん・満佐さんもしっかり者です。
それなのにどうして西郷家の家計は貧しいのか?

・ 腹一杯食べると大喜び
・ 一家そろって傘張り内職
・ お餅を目当てにハッスル
・ 病気しても薬も買えない
・ 白米はごちそう

そんな生活ぶり。

100両もの借金をして生活をしのぎます。
そんなシーンが描かれていましたね。
(1両≒1石だから7,500,000円です。)

設備資金や開業資金でもなく
一般家庭の生活資金での借金なんです。

どこの家庭も似たような感じ。
実はその背景は経済にあったんです。

今回のブログではそのあたりを解説しますね。

江戸時代以前は封建的経済
明治時代以降は資本主義経済

この違いです。

封建的経済は「家」「農業」主義。
資本主義経済は「貨幣」「産業」主義。

そもそも限られた国土(領土)での
決められた家を中心に奪い合いを前提して
お米を作って消費する経済でした。

家格・・・身分
家禄・・・職業と収入
家督・・・長男による相続

家を中心にすべてが固定されていたんです。

武士は合戦での働きによって家柄が決まりました。
いつ合戦があったのかというと・・・250年前!
戦国時代にご先祖様の活躍によって家柄が決まったまま。

身分も職業も収入も家ごとに決まったまま。
個人ではなく家ごとなんです。

平和で合戦のない暮らしの中では
新しい家は認められず出世が望めない社会だったんです。

そういえば西郷家は11人家族。
かなりの大所帯です。食い扶持も相当だったはず。

そのうちに資本主義経済が強くなってきたんです。

お米を納めさせてお米で賄っていた財政が
どんどん貨幣が流通したことで
いったんお米をお金に換金する必要が出てきたんです。

お米のままでは
取引できなくなってきたってこと。
当時はその過渡期だった。

そこで相場の影響を受けて
商人・両替商の台頭を生みます。

封建社会に封建的経済ではよかった。
そこに資本主義的経済が混じり始めた混乱が原因です。

収支が合わなくて藩の財政も悪化して、
下級武士の生活も苦しくなったんです。
困った藩は年貢の負担を重くします。

そのあたりは前回のブログで。

他国から奪い取ることで成長する封建的経済では
平和であればあるほど成長しなんです。

資本主義経済には武士は
ま~ったく貢献しないんだからなおさらです。

これが幕末!

やがて開国して
殖産興業をまい進するまで。
もうしばらく経済成長はお預けなままです。

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

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