大阪城の西。大川右岸にある、山本会計事務所で働く
1人の税理士『山本泰三』。

泰三は、多くの企業の収支決算書に目を通しながら
右肩下がりの経済状況の中、
赤字経営が増え続けていることに危機感を感じていた。

そんなある日、
1人の青年『日吉』が事務所を訪れてきた。
急逝した父の跡を継ぎ、漆器屋の三代目経営者となったばかりの日吉は
泰三に節税の相談を求めはじめるが、
帳簿を目にした泰三は、この会社が節税どころか
経営がすでに破綻寸前にあることに気付く。

日吉からの依頼を断ろうと思ったその時、
泰三が思い出したのは昨夜目にした〝大河ドラマ〟。

戦国武将たちはみな自分たちの役割、使命に気づいているじゃないか。
ボクの使命は、節税を助けることじゃない!
会社を長く存続させる為に利益をしっかり作るために助けるんだ。
ボクは、この人の伴走者になろう…!

そう決意した泰三は、
日吉の会社の建て直しを計画する。

しかし、
どうすれば、この会社を黒字経営へと立て直すことが出来るのか?

頭を抱える泰三と
戸惑うばかりの日吉であったが

ふと突然、泰三は何か思いついたようにこう言った。

「大河ドラマ『黄金の日日』で放映された
 ルソンの壷の話って知ってます?
 拾ってきた壷が10億円で売れた話です。」

「し、知らないです。
 拾ってきたものが、なぜそんなに高く売れるんですか?」

「それはね…」

笑みを浮かべる泰三。

はたして、 日吉を救えることができるのか?