早すぎた未来に対応できなくなり機能障害に陥った1600年の日本。軍師官兵衛の時代。

2014.12.07

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天下分け目の関ヶ原合戦。こそこそが早すぎた未来!?

大河ドラマ『軍師官兵衛』も今回を入れてあと2回。いよいよ大詰めです。

第49話。如水最後の勝負
その前にちょっと寄り道。

有名な未来学者アルヴィントフラーが1970年に書いた書籍
『未来の衝撃』の中で、すでにこんな予言をしています。

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われわれは早く来すぎた未来に対応できなくなり、
社会やシステムが機能障害に陥る。
変化に対応できない企業は淘汰される。
今現実にある新しい未来に適合しなければ・・・。
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1970年に書かれた未来予言ですが
みごとに過去の日本が該当する時期があります。

それが関ヶ原合戦の前後。

1600年前後。
当時ボクたちの国に起こった、早くきすぎた未来がそうなんです。
何が起こっているのか。どうすればいいのか、まるで見当がつきません。

官兵衛ですらその未来を予測できなかったんです。
そんな視点で見ると面白い。
今回の49話、そしてラスト50話がそれです。

時系列で振り返りますね。

1598年8月 豊臣秀吉が亡くなる。
1598年11月  秀吉の命令で出兵していた日本軍が朝鮮より帰国。
1599年1月 秀吉の子・秀頼が伏見城から大阪城へ移る。
1598年3月 前田利家が亡くなる。
1598年9月 徳川家康が大阪城へ重陽の節句の祝いのために登城。
1600年6月 家康率いる東軍が上杉討伐のために会津方面へ出陣。
1600年7月 石田三成が打倒家康のために大阪城で挙兵。
1600年9月9日 官兵衛挙兵!九州平定を目指す。
1600年9月15日 関ヶ原合戦が開始。わずか半日で決着がつき家康軍の大勝利。
1600年9月27日 関ヶ原合戦から10日あまりのち。家康軍が大阪城へ入城。

まもなく家康から全国に停戦命令を発する。
九州9か国のうち7か国を占領した官兵衛もすべてを放棄する。

豊臣秀吉が亡くなってちょうど2年経った1600年。
国の統治者が不在となっているんです。
あきらかにボクたちの国は機能障害に陥っています。

真っ先に変化に対応できなくなったのは豊臣家、そのもの。
官兵衛も読み違えるほどにあっさりと天下は豊臣家から徳川家康へ移ります。

秀吉の死からわずか2年。
実際に石田三成との天下分け目の合戦はなんとたったの半日で決着がついています。
東西両陣営の決着がつくまでは相当の時間がかかると読んだはずです。

その間に九州を平定しがら空きの中国を攻めて大阪へ出兵する腹積もりでした。
官兵衛は読み違えことを察知します。
あっさりと兵を引くことで現実に対応し生き残ることに成功します。
読み違ったことに気づいたんです。

こんなはずでは・・・だったはずです。
でも現実が早くやってきたことは事実です!
官兵衛のあきらめと対応が素晴らしい。

関ヶ原に勝利した家康自信も驚いたはずです。

家康の主力部隊は合戦に遅刻して働いていないのですから。
それでも勝ってしまった!?そんな感じです。

この国の機能が正常に再稼働するまでにもう2年かかります。
江戸に幕府が開かれのは1603年のことですから。

ボクたちが思っているより未来は早くやってくる・・・

その時、どう対応するのか。
戦国時代も現代もその対応は必須です!

間違いなく時代は変化しています。
強いものでもなく、大きいものでもなく
変化することができるものだけが生き残のることができる。

官兵衛が夢を追いかけて九州を掌握していく49話。
そしてあっという間にその夢から覚めて早すぎた未来に適合使用するさまを描く最終話。
見逃せませんね。

負けた西軍の武将のみならず
家康軍として東軍として働いた85名の武将のうち
幕末までも生き残った大名はわずか43家です。

黒田家は生き残った家柄であることは
官兵衛の早くきすぎた未来への対応が活かされているにちがいありません。

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

山本会計事務所
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