怖いお寿司屋さんと怖くないお寿司屋さん

2023.01.29


『日曜日の夕刊』重松清

日曜日の朝。
ミルクたっぷりのアールグレーを
飲むのには短編ぐらいがちょうどいい。

この本にある短編
「すし、食いねぇ」を読みながら笑った。

飲食店に限らずバーやクラブなど
情報と経験のない高級店って怖い。
特にお寿司屋さんのそれは格別ですよね。

・・・で、いったい何が怖いんだろうか。

その答えが明確に織り込まれています。
この短編には
・ 流儀がよくわからなくて怖い
・ 恥をかくのが怖い
・ カウンターに座る常連客が怖い
・ カウンターの向こう側の店主が怖い
・ もちろん値段も分からなくて怖い

などなど。
どれも頷きまくりです。

この短編に登場する店主は
少し意地が悪い。いやかなり意地悪です。

悪意のあるTV番組の収録。
高級店には不釣り合いな家族を選んで
そのおどおどする夫や子どもの様子を
収録する番組。ほら他人の不幸は。。。

ねぇ悪趣味でしょ。

内容は割愛しますが
そのあと、妻の行動でホッとする
エンディングにほのぼのって展開。

誰が考えたりするお金と仕合せについて
再認識させられる物語です。

読み終わって想った。

意地の悪い店主ではあるけれど
お店がお客さんを選んでいるってこと。

このTVの企画でなければ
このお店はうまくいっている。
繁盛しているお店です。

お鮨が好きな友人に連れてってもらう
お店はどのお店もステキです。
お客さんを試すような感じの悪い店主に
会ったこともないから。

それでも怖いって想うのは
「経験していない」ことは怖いだけ。
防衛本能かもしれない(笑)

そう気づくとそれを楽しもうとします。
やってみてくださいね。
怖がる癖があるだけです。

超高級店でなくても
お寿司屋さんって気づきがたくさん。

家族で通いつづけて30年以上になる
お寿司屋さんもそう。

こちらのカウンターでいろんなことを学びます。
いわゆる町寿司さん。父と2人で話していたんです。

どうして何十年もこちらの
お店にお世話になるのか。

お寿司屋さんならほかにもたくさんあるし
回転寿司だってありますよね。

別にお鮨に限らず
中華もイタリアンも餃子もお蕎麦も
・・・お店はいくらでもあるわけです。
どうしてでしょうか。

そのスタンスが一貫しているから
その一貫したスタンスにボクたちが
共感しているから。

いかがでしょうか。
とても大切なことだと想うんです。

こちらのお寿司屋さん場合は
居心地の良さ。肩ひじ張らない空気感は
ちょこちょこ行きたくなります。
そこが一貫しているんです。

もちろんお鮨は美味しいです。

磨いた技や技術。身につけた知識。
経験がものをいう世界であっても、
ご縁がなければ仕事にならない。

お店が提供するスタンスが
一貫しているとそれがいいと想う
お客さんに伝わってご縁が繋がります。

この短編あるような
流儀がよくわからなくて怖いなら
聞けばいいと思うんです。

恥をかくのが怖いならあらかじめ
「初めてです」って言えばいい。
会話につながります。

カウンターに座る常連客が怖く感じるのは
自意識過剰だし、店主が怖いのはこちらが
緊張している証拠。
心地いい緊張感を楽しみましょう。

あと、値段も分からなくて怖いのも
特別な醍醐味ですよね。
面白がれるといいですね。
そんなことを想う日曜日です。

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

山本会計事務所
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