お家が一番から会社が一番へ変化した幕末から明治維新

2015.10.19

 

キャプチャ画像提供 富岡市・富岡製糸場

大河ドラマ『花燃ゆ』はその舞台が群馬へ移りました。
その中心は富岡製糸場です。

1872年からは富岡製紙場としてスタートして
1938年には株式会社富岡製紙所として
株式会社化されています。

いよいよ日本にも
会社という存在が登場しています。

これって不思議だと思いませんか。

会社に対する受入れ方が
スムーズ過ぎるって。

会社というものは
まったく存在していなかったんです。

どうしてすんなりと受け入れられたのか。

ふり返れば・・・
江戸時代まではお家が一番でした。
個人を超越する唯一の存在はお家。

これが封建社会です。

お家によって家格が決まっていて
仕事の内容も地位も収入も決まっていました。
女性の嫁ぎ先も家同士で勝手に決まる。

長男がそのお家を継いで
二男以降は他家へ養子へ出ることを望んだほど。
兄弟で苗字が違うことが多いのもそのせい。

お家が第一なんです。
お家の存続のために一生があると言ってもいいほど。

その家という組織。
そこでは絶対者の家長だったりお殿さまでさえも
個人を超越されいます。

切盛りに関しては
番頭さんや家老によって
運営されていました。

ある意味、もともと会社組織だったんです。

そう考えれば分かりやすくなります。

幕末から明治へと時代が移って
身分制度と藩が消滅して県が置かれます。

同時にお家が消滅して会社ができた。

そんな感じ。

今では個人か法人かという選択がありますが
当時は個人を超越したお家があるだけで
ほかの選択肢はなかったんです。

そのお家を超える存在。

その中で個人を超えたという点で
組織のために経営者や従業員が働くという
江戸時代からの仕組みは残りました。

富岡製糸場は
明治政府の肝いりでつくられた
新しい組織の象徴です。

現在、会社は法律上のヒトですが
実際にはヒトではありません。
その会社を実際にヒトとして動かすのが経営者です。

そこでは自己の利益を
過度に追求するとおかしくなります。

今後はどんな組織が出現するのでしょうか。

個人、お家、会社・・・

そう思うと楽しみにもなりますね。

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

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