氏真から学ぶ失敗しても生き残るコツ。おんな城主直虎

2017.06.26

キャプチャ
苦悩する社長・今川氏真(画像は公式サイトから)

おんな城主直虎
第24話 材木を抱いて飛べ

駿河の今川氏真は
同盟を破った武田家への対抗策として
塩留を実施します。

甲斐・信濃といった
山国ばかりの武田家。

塩はとれません。

ピンチです。

塩留・・・塩の他国への流通を禁止
荷留・・・お米などの他国への流通を禁止
津留・・・港での荷揚げ荷下ろしを制限

留めるって
いわゆる経済封鎖です。

国内にモノが入ってこなくなるので
そこでの暮らしぶりが厳しくなります。

そこを狙うわけですが
その商いを一手に担っていた
大商人も迷惑をこうむります。

ここぞとばかりに
小さなロットで横流しする
方久などの商人もがんばったりする。

だから効果はいまひとつなんです。

さらに武田家と敵対していた
上杉家が塩留に同調せずに
敵に塩を送ってしまうんです。

当てが外れて
塩留作戦は見事に失敗に終わります。

そんな今川氏真。。。

父・今川義元が急死した
桶狭間の戦いから9年後に家を滅ぼします。

「家」って「会社」って思ってください。

それも先代社長が築いた
東海地方の上場会社㈱今川を
破たんさせてしまうんです。

自分でもわかるほどに
身の丈に合わない会社経営。

代わりがいないから
仕方なくやりますがうまくいかないです。

祖母・寿慶尼の力も借ります。

この時代は職業は選べないんです。
社長の子どもは社長をしなきゃいけない。
優先されるのは血筋。

まわりの役員に
推薦されると断れないんです。

今、放送中の「おんな城主直虎」でも
そのあたりが描かれています。

実は甲信地方の
上場会社㈱武田も信玄社長が亡くなると
勝頼さんが社長になって破たんしてしまいます。

上場会社が破たんするんです。

㈱武田の敗因は
本社を甲斐にこだわったこと。

甲斐源氏という家柄と
シェア拡大で求心力の拡大を狙いましたが
急成長した㈱織田との争いに敗れます。

エリアの拡大を目指した
支店の出店計画のミスです。

㈱今川の敗因は
会社経営に不向き社長が後継者だった。
経営よりもサッカーが大好きだったことです。

世が世なら
ファンタジスタなほど。
名手です。

戦国時代。当時。

会社の倒産=社長クビ=命がけ(死)

そんな時代。

㈱武田の倒産=勝頼社長はクビ=自害
㈱今川の倒産=氏真社長はクビ≠自害

あれ

???
!!!
###

㈱今川は倒産しても
社長の今川氏真は生き残っています。
殺されませんでした。

その後もサッカー選手として活躍します。
老後も名人芸の伝承者として引っ張りだこ。

とっても稀なケースです。

命がけで合戦する戦国時代でも
「命をかけるほど仕事なんてない!」

そう教えてくれている方です。

経営の才能がまったくない。

これが幸いしたんです。
それほどに弱かった。。。(笑)

でもそれが幸いして
㈱今川は倒産して社長をクビになっても
個人は生き残ります。

今川家の名も明治維新まで残ります。

最大の功績です!

多くの後継者の共通点は
偉大な先代の跡を引き継いだ時に
業績を拡大しようとします。

自分の求心力を
拡大で高めようとします。

これが失敗のもとなんです。

拡大ばかりで
潰し方を考えないからどうにもならない。

その点で氏真は違います。

自分は自分なんです。
縮小してもいいんです。
倒産や廃業してもいいんです。

仕事に命なんて
かけなくてもいいんです。

好きなことさえあればやっていける。

会社を潰したことも
社長をクビで恥ずかしくても
誇りを失っても

向いていなかっただけなんです。

がんばってみたけど
向いていなかっただけで
仕方がないんです。

そんなことを教わっているようです。

悩める後継者は
今川氏真を参考にすると
少しは楽になるかもしれませんね。

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山本 やすぞう
1972年大阪市生まれ。近畿税理士会北支部所属。TKC近畿大阪会所属。 大河ドラマを題材に使い、名シーンや名セリフを交えたわかりやすい内容が評判となる。常識に縛られずその会社らしくあろうとする経営者を応援することから、中小企業の経営者のみならずスタッフまで「私にもできる」と思わせ、信奉者が増加中。 計算するだけでなく、一緒に利益を探す税理士として活動中。

山本会計事務所
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