まずまずの視聴率でスタートした大河ドラマ『西郷どん』
第1話の妙円寺詣りのシーン。
関ヶ原の戦いで敵中突破した
島津義弘の武勇をたたえ、
男たちが甲冑武者姿で参拝する行事。
物語でもそんな紹介がされています。
郷中どうしの激しい競争します。
郷中って町内会ってこと。
1番乗りの郷中にはお餅がもらえます。
小吉のいる下加治屋町郷中。
上級藩士の尾田のいる平野郷中に加えて
ほかの郷中も大乱闘を繰り広げます。
勝つことにルール無用の本気です!
子どもたちによる超ハードなマラソン大会です。
物語では5~6分のシーンですが
準備から完走まで3か月以上かかる大イベント。
片道20キロの道のりを
重さ20キロ以上の鎧兜をつけて
真夏に鹿児島の山中を
14、5歳の男子が数人の郷中ごとに走るんです。
想像しただけでもハードでしょ。
現代のマラソンと違って
沿道にはお水や食べ物のサービスもない。
伴走者もいなければ中継車もありません。。。
そんななかで誰か1人が
1番でゴールした郷中の勝ち。
ねぇハードでしょ。
これが子ども向けのイベントですよ。
戦国時代。最後の合戦。
そう言われる関ヶ原の戦いから
250年もたっているのに幕末の薩摩の国には
どれだけ戦国気質が残っていたかた分かるでしょ。
実はこれには深~い理由があるんです。
今回のブログではそのあたりを解説しますね。
この島津義弘とは
戦国時代に猛将として名をはせた
薩摩のお殿さまです。
1600年9月15日。
天下分け目の関ヶ原の戦い。
美濃の国・関ヶ原で東西両軍が激突。
徳川家康が率いる東軍に対して
敗色濃厚となった西軍に属していたのが島津義弘です。
正面に敵が70,000人の軍勢で迫ってきます。
味方はわずかに1,500人。
数の上ではどうにもなりません。
味方の武将が次々に退却したり自害していきます。
どうする島津・・・
決断が迫られます。
諦めて投降して捕まるか
潔く自害するか
急いで後退するか
どうする島津・・・
多勢に無勢。選択肢は限られています。
敵中に孤立を深めます。
正面には徳川方の猛将・井伊直政が迫っています。
「これまでか。。。」と、誰もが諦めたその時。
総大将・島津義弘は全軍で前進します。
???
!!!
***
70,000人で包囲された戦場を
わずか1,500人の島津勢が突撃したんです。
日本史上有名な「島津の退き口(のきぐち)」と呼ばれる
敵中突破作戦。戦場からの大脱走の始まりです。
70,000:1,500≒46:1
島津勢ひとりで
敵方を46人を相手にしても
まだ1,000人も残っている勘定です。
常識的にはどう考えても無謀。
勝ち目なんてあるはずがない。
しかしそこは戦国最強を誇る島津勢。
突撃します。
不意を突かれたのは徳川方の井伊直政の軍勢です。
この時の鉄砲傷のせいで直政は亡くなっているほど。
見事に戦場から大脱走に成功!
敵も必死で追ってきます。
対する島津勢は反転して数人が留まって敵を食い止めます。
全滅すると次の数人がその場にとどまって敵を食い止める作戦。
これを繰り返します。
お殿さまと味方が逃げる時間を稼ぎます。
そのまま南下して伊勢の国へ。
山中を駆け抜けて摂津の国に到達。
素早く船に乗り換えて薩摩へ帰還します。
妙円寺は島津義弘の菩提寺。
その武勇にあやかっての妙円寺詣りなんです。
薩摩隼人のルーツのようなお話し。
さぁ今週も『西郷どん』が楽しみですね~