第9回。江戸のヒー様。
江戸へやってきた吉之助は
薩摩藩邸で大山と俊斎と再会。
竹馬の友がいるのはやっぱり心強い。
吉之助は御庭方を命じられます。
斉彬さまの住まいの庭掃除の役目です。
数週間ほどたったある日。
「西郷!」と声をかけられます。
顔を上げるとそこには
お殿さま・斉彬さまです。
小石川にある水戸藩邸へ
書状を届けるように下知が下ります。
二人のやり取りがグッときます。
西郷。そなたの命。わしにくれ!
この先、危うき目に遭うやもしれぬ。
剣は自顕流か。
吉之助は答えに詰まります。
どうした答えよ。
吉之助は子供のころの出来事を
話し始めました。
・・・恥ずかしながら。幼きころ、
右腕の腱を切って刀は使えもはん。
この刀は飾りにございます。
そう聞いた斉彬は困りながら一言
飾り・・・
吉之助はここぞとばかりに
あの時のお礼を言います。
そいでもこんして今も生きちょっとは
殿にお言葉をかけて
いただいたからでございもす。
死んではならんち。。。
(そういえばと、記憶をたどるうちに・・・)
・・・サムライが
重い刀を二本もさしてそっくり返る
時代は終わるんだ。
これからは民のために尽くせる者こそが
真の強いサムライとなる。
死んではならん。
斉彬もこっそりと帰国した時に
幼い吉之助と出会ったことを思い出します。
・・・あの時の・・・そうであったか!
お殿さまが自分のことを
覚えていてくれてうれしい。
同時に自分の不出来を詫びます。
殿のためならこの命。
いつでも投げ出すもす。
じゃっどん、刀で殿をお守りいたすこと
だけはできもはん・・・
斉彬は腰の短刀を差し出してこう言います。
いつでもここにいて
わしの手となり足となること。
それがおまえのお庭方の役目だ。この先、人知れぬ秘密を知ることもある。
もしその秘密を守れぬ時は、これを使え!
つまり、御庭方とは
お庭掃を掃除する係ではなくて
密命を預かる特殊任務だったんです。
これを使えとは・・・
万が一の時は自害してでも
秘密を守れということ。
死んではならんと
励ましてくれたあの頃と真逆です。
現代では命がけの仕事なんてありません。
仕事で死ぬなんてありない。
ただ覚悟が問われている。
やると決めればやり遂げる覚悟。
それはいつの時代も変わらない。
そんな風に強く共感する第9回でした。